岐阜市にある、けいか歯科クリニックです。

近年インターネットなどでフッ素は危険と紹介されている内容を見かけます。

そんな中、患者さんの中には歯科医院で行うフッ素塗布やフッ素配合の歯磨き粉が危険と思われている方もいるのではないでしょうか?

フッ素を使った虫歯予防は一般的に広く知られていますが、実際本当に危険なのかについてご紹介していきます。

目次

本当にフッ素は危険?

フッ素=虫歯予防というイメージが強いですが、実は元素のフッ素自体は猛毒で、とても危険です。

ただし、フッ素は単体元素を酸化してすぐにフッ化物を作り出す性質を持っており、猛毒である元素のフッ素単体ではほとんどの場合存在していないと言われています。

そんな事を聞くと虫歯予防でフッ素って「危険では?」「大丈夫?」と思われるかもしれませんが、歯科医院や歯磨き粉で使用されるフッ素というのは元素のフッ素ではなく、フッ化ナトリウムのことでフッ化物です。フッ化ナトリウムは濃度1%以下にしたものは薬として扱われており、歯科医院で行われているフッ素塗布やフッ素配合の歯磨き粉、洗口液などに使用されています。

フッ化ナトリウムは濃度や使用目的などが正く行われていれば決して心配する必要はありません。

 

海外ではフッ素が禁止や規制されている?

ヨーロッパやアメリカなどの国でフッ素が禁止されていると目にした事のある方もいるのではないでしょうか?

実際にこのような内容はネットやニュースなどでも取り上げられており、中には勘違いされている方もいるかもしれませんが、それはPFAS(ピーファス)という有機フッ素化合物のことで、有機フッ素化合物に関してはあらゆる国で使用禁止や規制が行われています。

しかし、虫歯の予防に使用されているのは無機フッ素化合物で、有機フッ素化合物とは全く異なる物です。

全てのフッ素が禁止や規制されているというわけではなく、歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉、洗口液などへの配合は多くの国で使用されています。

 

虫歯予防に使用されるフッ素に中毒症状があるのは本当?

結論からお伝えすると中毒症状の可能性があるのは事実です。

しかし、お伝えした通り、虫歯予防に使用されるフッ素(フッ化物)は正く使用されていれば中毒症状も心配する必要はありません。

注意する点は、適量を適切に使用するという事です。

水を過剰摂取すると人体へ悪影響を及ぼす様に、どのような物でも過剰に摂取すれば悪影響は出るものです。

虫歯予防で使用されるフッ素も同じで、一度に過剰摂取すれば人体へ悪影響を及ぼし中毒症状を引き起こします。

この中毒の症状としては吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、痙攣といった症状が挙げられます。

また、慢性中毒の場合は歯のフッ素症といったものがあり、歯が骨の中で生成されている段階に過剰摂取することでエナメル質の形成障害や石灰化不全などが起こる可能性があります。

このように一度に多量摂取した場合は危険ですが、フッ素塗布やフッ素配合の歯磨き粉では歯の表面に使用されているだけに留まるため、万が一にも大量に体内に取り込むことはなく、中毒症状の発現量は2~4mg /kgと想定されているため、意図的に一度に多量摂取する以外には考えられないのです。

※大量じゃなければ飲み込んでも大丈夫という訳ではありませんが、2~4mg /kgとはイメージとして、4~5歳の子が子供用フッ素歯磨き粉を1本丸々飲むような物で、まず有り得ないと思います。

 

まとめ

「フッ素=虫歯予防」というイメージがある反面、「フッ素=危険」というイメージを持たれている方も少なからず存在します。

歯科医院では無理にでもフッ素塗布を行うということはしませんが、虫歯予防に最も効果があるのがフッ素と言うのは事実であり、世界中でも一般的な方法として使用されているのも事実です。

「フッ素=危険」とイメージだけで判断するのではなく、フッ素を使用するメリット、フッ素を使用しないデメリットをしっかり理解した上で予防に活用するかどうか判断して頂ければと思います。