塩で歯磨きって効果ある?
岐阜市にある、けいか歯科クリニックです。
突然ですが、塩で歯磨きを行なったことはありますか?実は昔、塩で歯を磨いた時代があったことをご存知でしょうか?現代でもごく稀に塩で歯を磨いていると言う方がいます。
今回は塩で歯を磨くメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
そもそも塩で歯磨きをするのはOK
改めてメリット・デメリットはお伝えしますが、塩で歯磨きを行うメリットは多々あります。しかし、歯医者の目線からお伝えするとおすすめはしていません。デメリットが大きすぎるといった部分もありますが、現代では様々な種類の歯磨き粉が普通に売られています。わざわざデメリットのある塩を使う必要はなく、虫歯予防にはやはりフッ素配合が効果的です。フッ素配合の歯磨き粉を使用することをおすすめします。
ただ、それでも塩で歯を磨きたいと言う方はこれからお伝えするメリット・デメリットをしっかり確認し、ご自分が塩で歯を磨く最終目的を考え、本当に塩で歯を磨く必要があるのか確認してみましょう。
塩で歯磨き、どんな効果がある?
塩は昔から殺菌、消毒に使われており、歯磨き粉の成分として配合されたりもしています。塩は唾液の分泌を促す効果もあり、歯肉の引き締め、歯周病にも効果があると言われています。
塩で歯を磨くメリットは?
塩で歯を磨くメリットは主に下記の通りです。
まず、唾液を促す効果です。再石灰化と言って唾液には、溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンを、再び歯に戻す効果があり、歯を修復する働きがあります。その他では浸透圧によって歯肉を引き締めてくれたり、炎症を抑える効果、塩マッサージ効果で歯茎の血行を促進してくれる効果が期待できます。
また、研磨作用も高いため、歯についた汚れを落とすといった点でも高い効果を発揮します。
塩で歯を磨くデメリットは?
塩で歯を磨くデメリットはもちろん存在します。
メリットでお伝えした炎症を抑える部分において、炎症がひどい場合や粘膜が弱くなっている場合は、逆に腫れがひどくなったり、痛みが出てしまう場合があります。
また、研磨作用が逆効果になりがちで、強い研磨作用で歯が削れたり、歯茎が傷つく恐れがあり、研磨作用は当院がおすすめしていない一番の理由でもあります。
その他では、塩には殺菌効果があるとお伝えしましたが、効果を得るには大量の塩を使用しないと殺菌できなかったりとします。
塩歯磨きで歯は白くなる?
塩を使って歯を磨くと、歯が白くなると思っている方は少なからずいます。しかし、歯を白くするには歯科医院で行われるホワイトニンングしかありません。
なぜ歯が白くなると勘違いされているかというと高い研磨作用によって
、歯の表面の着色汚れを除去できるからです。表面の着色汚れが落ちれば元々の白さまで戻るので、白くなったと勘違いされているのではないでしょうか?
もちろん着色汚れを落とすことが目的であれば塩を使うメリットはあります。しかし、着色汚れを気にして強く磨いたり、必要以上に何度も磨くと歯は傷つき、小さな溝が生まれ、逆に汚れや着色が着きやすくなってしまします。また、歯の黄ばみには着色汚れだけでなく、遺伝や薬の作用といった場合もあることを理解しておきましょう。
もし歯を白くすることを目的として塩で歯磨きを行なっている場合はすぐにやめてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
以前、「重曹で歯磨き」の記事でも同じ内容をお伝えしたかもしれませんが、研磨作用の高い物で代用してしまうと歯は傷つき、最悪くさび状欠損になる可能性もあります。
歯を傷つけることは健康的な歯の寿命を縮めることにも繋がります。
現代では様々な歯磨き粉が販売されているため、ご自身に合った歯磨き粉を探される事をお勧めします。
また、虫歯予防としてはフッ素配合の歯磨き粉を使用することが一番ということを忘れないようにしましょう。
それでも塩で歯を磨きたいと言う方は、研磨作用が高いことを理解し、優しく磨くなど工夫して、歯が傷ついていないか、歯茎に問題が出ていないか、定期検診の際に口腔内の状況をしっかりプロに確認してもらいましょう。